Aliexpressで電子工作-7 200円以下で買えるFMラジオキット(続編)
前回、Hex3653というICを使ったFMラジオキットを組み立ててみましたが、使われている部品に誤りがあることがわかりました。
アンテナ入力のところにあるインダクタに100μHが使われていましたが、100nHが正解です。
100nHというインダクタはなかなか入手しづらいのですがたまたま入手できた物があったのでそれに取り換えてみようと思っていました。
でも、よく考えてみると100nHくらいだったら手持ちのすずメッキ線などをちょっと巻けばできてしまうのではないかと思います。
適当な巻き芯がないかとあたりを見回してみると、近くにあったボールペンの芯が目に入りました。
直径は約3mmです。
こちらのサイトのソレノイドコイルの巻数計算機をお借りして100nHの巻き数を計算してみました。
直径:3mm
長さ:7.5mm
インダクタンス:0.1μH
で9.97巻きと出ました。
10回巻いてみました。
0.4mmのすずメッキ線なので密巻きではショートしてしまいます。それにFMラジオ基板のインダクタの端子間の長さは7.5mmなのでちょっと伸ばしてみます。
ちょうどいい感じに出来上がりました。
もともと付いていたインダクタと交換してつけてみるとこんな感じです。
さて、結果です。
結論から言うとあまり感度がよくなった感じはしませんでした。
交換前と感度の差は感じませんでした。
相変わらず在来FM局が3局とワイドFM局(FM補完放送)が3局、なかなかの音質で受信できています。それ以上の放送局を受信したければ屋外にアンテナを設置する必要がありそうです。(窓際に持っていくとノイズ混じりにあと2局受信出るようになります)
取り外したインダクタは本当に間違った100μHだったのか?
適当なインダクタンスメータがないので簡単な発振回路を作って周波数カウンタにぶち込んで見ます。
だいたい5MHzくらいで発振しています。
この回路に使われているコンデンサは22pFの直列なので11pFです。
そこから計算されるインダクタンスの値は92uHと出ましたのでやはり100μHが付いていたことになります。(電卓でちまちま計算してもいいのですが、こちらのサイトのLC共振回路計算機をお借りしました)
結果的に感度は上がらなかったのですが、気分的にすっきりしたのでそれでいいことにしましょう。
なお、上で使っている周波数カウンタのキットと追加回路についてはまた後日書きたいと思います。
追記:
ある日、いつも使っているイヤホンが故障し新しいイヤホンを購入することになりました。いつも使っている機種にしようとも思ったのですがたまたま安いのがあったため使ったことがないメーカのものを購入してみました。
なんと、イヤホンを変えたらラジオの感度がかなり上がりました。
今まで、ワイドFM3局と在来FMはJ-WAVEがクリアに聞こえた他にNHKとTOKYO-FMがノイズ混じりで聞こえていたものが、ワイドFMの他に在来FMが5局くらい聞こえるようになりました。
イヤホンのコードの構造によってアンテナとしての効果がかなり変わるようです。
感度が悪い場合はイヤホンコードアンテナではなく独立したアンテナにすると感度がアップすることが期待できます。